「がんになった人やうつ病の人も、就労や日常生活に支障があるなら障害年金を受給できるんですよ」と言うと、驚かれる人が少なくありません。「障害年金」という名称のせいでしょうか、車いすの人、目や耳の不自由な人、あるいは知恵遅れの人などいわゆる障害者が受給するもの、というイメージが強いのでしょう。でも、本当のことなのです。
驚かれるのも無理はありません。事実、事業主や主婦らが入る国民年金では1959年(昭和34年)の制定当初、内部疾患や精神障害、知的障害などは障害年金の対象になっていませんでした。その後、徐々に対象範囲を広げてきたのです。現在、障害年金の対象となりうる病気を列挙してみます。
脳梗塞、心臓疾患、がん、統合失調症、うつ病、肝炎、糖尿病、認知症......。実にさまざまですね。
日本年金機構によると、障害年金を受給している人は、2022年(令和4年)8月末現在で、国民年金が約210万人、厚生年金が約49万人。年々、増加しています。
と言っても、簡単に受給できるわけではありません。障害年金を受給するには3つの条件があります。