⑥ 旧法時代は複雑

 初診日が1986年(昭和61)年3月以前のいわゆる旧法時代の場合は、制度の移り変わりや経過措置という特例などがたくさんあって、とても複雑です。

 

 一例を挙げますと、現在の制度では保険加入要件を見るのは初診日ですが、旧法では、厚生年金と共済年金は「発病日」で見ていました。発病日とは障害の原因となった病気が始まった日やけがをした日ということです。ですから、事実上、本人の自覚症状に任されていた部分もありました。

 

 また、障害認定日もさまざまでした。共済年金では退職日と「1年6カ月経過日」のより遅いほうでしたし、国民年金や厚生年金では「初診日から3年後」という時期がありました。

 

 保険料納付要件を見る日も同様です。厚生年金では1976年(昭和51年)9月までは、現在のような「初診日の前日」ではなく「障害認定日の前日」でしたし、国民年金でも一時期、「障害認定日の前日」だったことがあります。

 

 このように、現行の制度とはずいぶん違うところがあります。発病日や初診日が旧法時代の可能性がある人の場合は、受給できるかどうかの判断は念入りな調査の後でないと下せません。